SNS
【初心者向け】SNS運用の基本のき
はじめに
近年、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用が企業のマーケティング戦略に欠かせない要素となっています。SNSの普及により、企業は広告宣伝やブランド認知を高める機会を得ています。
しかし、「とりあえずアカウントを開設してみたものの、フォロワーは増えない」「SNSを運用してみたは良いけれど、効果が上がっている実感がない」といった担当者の声が増えています。その原因の多くが、無計画なSNSの運用です。「今のトレンドは何か」「ターゲット層に合っているのはどのSNSか」といった問いに正しい答えを出せれば、SNSマーケティングの効果は格段に上がります。
この記事では、時流にのった適切なマーケティング効果を得るために企業がどのSNSを運用すべきかについて検討していきます。
SNS運用の目的
SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の運用には様々な目的があります。企業がSNSを活用する主な目的には以下のようなものが挙げられます。
- ブランド認知の向上
SNSは多くのユーザーが利用するプラットフォームであり、企業はここでブランドの存在感を高めることができます。魅力的なコンテンツやブランドストーリーを発信することで、ターゲット層に企業の存在をアピールし、ブランド認知を向上させることが目的となります。
- 顧客とのコミュニケーション強化
SNSは直接的なコミュニケーションが可能な媒体であり、顧客との双方向の対話が行えます。顧客からのコメントや質問に対して迅速に回答することで、顧客満足度を高めるとともに、顧客の声を取り入れたりフィードバックを収集したりすることができます。
- 製品やサービスの宣伝・販促
SNSは広告やプロモーション活動に適した媒体です。企業は自社製品やサービスを効果的に紹介し、特典やキャンペーンを展開することで、顧客の購買意欲を高めることを狙えます。
- 特定のターゲット層へのアプローチ
各SNSは異なるユーザーベースを持っています。例えば、Instagramは若年層に人気があり、LinkedInはビジネス向けのユーザーが多いです。企業はターゲットとする顧客層に合わせて適切なSNSを選定し、ターゲット層にアプローチすることで効果的なマーケティングを行うことができます。
- 競合他社との差別化
競争の激しい市場において、SNSは競合他社との差別化を図るための有力な手段となります。オリジナリティのあるコンテンツや独自のキャンペーンを展開することで、顧客の心に残り、競合他社との差を打ち出すことが出来ます。
SNS運用の目的は単一ではなく、複数の目標を組み合わせることで効果的な結果を生み出します。企業は戦略的な視点からSNSの活用を検討し、目的に合った運用を行うことが重要です。
SNS運用の成功事例
ここでは、A社のInstagramを活用した戦略による成功事例を紹介します。どのようなSNS運用がユーザーによるエンゲージメントを得やすいかの参考にできるので、詳しく見ていきましょう。
視覚的なコンテンツの魅力
A社は、Instagramの特性を理解し、視覚的に魅力的なコンテンツを積極的に投稿しました。美しい写真や動画を使用することで、ユーザーの目を引き付け、興味を持ってもらうことに成功しました。また、コンテンツのデザインや配色にも工夫を凝らし、ブランドのイメージを強化しました。
ユーザーエンゲージメントの活性化
A社は、単に情報発信するだけでなく、ユーザーエンゲージメントに重点を置いた戦略を採用しました。投稿に対するユーザーからのコメントやいいねに迅速かつ丁寧に対応することで、顧客とのコミュニケーションを強化しました。さらに、キャンペーンやクイズ、投票などのインタラクティブな企画を実施することで、フォロワーとの関係性を深めました。
インフルエンサーとのコラボレーション
A社は、自社製品やサービスを紹介する際に、有力なインフルエンサーとのコラボレーションを活用しました。業界で知名度のあるインフルエンサーや、ターゲット層に影響力を持つ個人との提携を通じて、広い層に対して製品やサービスを訴求しました。これにより、より多くのユーザーにアプローチでき、ブランドの信頼性が高まりました。
分析と改善
A社は定期的にSNS投稿の成果をデータ分析し、マーケティング・ブランディングの効果やユーザーの反応を把握しました。分析結果に基づいて戦略を改善し、より効果的なコンテンツやキャンペーンを展開することで、持続的な成果を上げることに成功しました。
このように、A社はInstagramを活用したSNS運用戦略によって、特に若年層を中心にブランドの認知度を向上させ、新規顧客を獲得することに成功しました。視覚的な魅力とユーザーエンゲージメントに重点を置いた戦略が成果を生み出した一例として、他の企業にも参考になる事例です。
各SNSの特徴
「とりあえず運用してみたは良いが、効果が上がらない」という方は、そもそもプラットフォームの選び方に問題があるのかもしれません。「流行っているから」「聞いたことがあるから」といった「なんとなく」の理由ではなく、各SNSの特性やターゲット層をきっちりと押さえ、比較検討する必要があります。そこで、人気のあるSNS各種の特徴をまとめてみました。
X(旧Twitter)
短文投稿が特徴的。誰でも気軽に情報発信ができます。世界中で使われているため、国境を越えた情報発信ができるのがメリットです。
企業がTwitterを利用するときには、オピニオンリーダーやニュースメディアに対して製品やサービスの情報を発信することが効果的です。また、ユーザーからのフィードバックや質問に素早く応答することで、顧客とのコミュニケーションを強化することもできます。
- メリット
短時間で情報発信が可能。急なニュースやキャンペーン情報の告知に適しています。また、リツイート機能やハッシュタグを活用することによる拡散力が高いことがメリットです。 - デメリット
短い文で情報を発信するため、内容の誤解や表現のミスが起こりやすいことがデメリットです。
写真や動画投稿が主流。視覚的に訴求することができます。また、ハッシュタグを活用して、ブランド認知度を高めることができます。目の肥えたミレニアル世代に人気です。
企業がInstagramを活用するときには、魅力的なビジュアルコンテンツを提供することが重要です。製品やサービスの魅力を写真や動画で伝えることで、ユーザーの興味を引きつけることができます。また、インフルエンサーマーケティングもInstagramで非常に効果的です。
- メリット
フォロワー数が増えれば増えるほど、企業のブランド認知度を高めることができます。また、商品やサービスの写真を投稿することで販促効果も期待できます。 - デメリット
商品の写真をアップすることが多いため、企業によってはコンテンツの質を維持するための負荷が大きくなる場合があります。
TikTok
中高生を中心に爆発的な人気があります。短い動画を繰り返し見ることで娯楽として楽しむことができます。独自のクリエイティブ性を持つため、新しい価値観の提供が可能です。
企業がTikTokを活用するときには、短い時間で興味を引く動画コンテンツを作成することが重要です。特に音楽やダンス、コメディなどをテーマにした動画は人気があります。クリエイティブなコンテンツを通じてブランドを広めることは、特に若い世代にアプローチするのに有効ですが、最近ではTikTokのユーザー層は10代から40代、50代以上まで幅広く変化してきています。
- メリット
独自のクリエイティブ性を持つため、企業ブランドの新たな認知度を高めることが可能です。また、ターゲットの年齢層に合わせて適切な戦略を立てることで、より幅広い層へのアプローチが可能となります。 - デメリット
内容が単調になりやすいため、継続的な更新が必要です。また、多くのユーザーが若年層なので、厳密な規制があることも注意が必要です。
TikTokの年齢層についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
YouTube
長時間かけて情報発信をすることができます。作り込んだ映像や音声のクオリティが高いものが多いです。また、広告収入を得ることができるため、ビジネス面でもメリットが高いです。
企業がYouTubeを活用するときには、教育的なコンテンツやエンターテイメントを提供することが重要です。製品の使い方や活用方法、またはブランドのストーリーテリングを動画で伝えることで、ユーザーの興味を引きつけることができます。
- メリット
長時間かけて情報発信ができます。その為、企業の製品やサービスのアピールポイントを詳細に伝えることができます。また、チャンネル登録者数が増えるとビジネス面でもメリットが大きいでしょう。 - デメリット
YouTubeの視聴者は集中力をそこまで要さなくても見れるショート動画などを好み、長い動画には興味を持ちにくい傾向があります。そのため、コンテンツを魅力的に保つためには、時間制約に対応できるコンテンツ制作能力が求められます。
SNS運用の業務内容
SNS運用には、次のような業務内容が含まれます。
- コンテンツ企画と制作
効果的なコンテンツを定期的に発信するための企画と制作が必要です。 - コミュニケーション対応
顧客からのコメントや問い合わせに対して迅速かつ適切にコミュニケーションを行うことが重要です。 - データ分析と改善
SNSの成果を評価するためにデータを分析し、適宜改善策を講じる必要があります。
多くのSNS担当者が重視するのが①ですが、見落とされがちなのが②③です。アカウントを作って終わり、投稿をして終わりではなく、個別のコメント対応や成果分析を欠かさないよう注意しましょう。
まとめ
各SNSは異なる特徴やユーザー層を持っており、企業がどのSNSを選ぶべきかは目的やターゲットオーディエンスに応じて考慮する必要があります。効果的なマーケティング戦略を立てるためには、それぞれの媒体の特性を理解し、適切なコンテンツを提供することが重要です。